生命保険相談センター

コラム回心転意

 

はじめに

 

長く保険業界にいると、保険商品の「トレンド」を感じることがあります。

それは医療保険であったり、外貨建て保険であったりその時々で違うのですが、最近のトレンドは「がん保険」のようです。

 

近年、がん保険が急速に進化しています。

 

がん保険については以前コラムに書かせていただいたことがあるのですが、今回は基本をおさらいしつつ最新のトレンドを確認し、賢いプラン選択をするためのポイントをご紹介します。

 

がん保険とは?

 

がんに罹患した際に支払われる特定の保険です。

以前は全疾病を保障する医療保険の補助的な保険の位置づけでしたが、がん患者数が増え治療方法も多様化する中で、治療の高額な費用や患者さまの仕事の喪失といった深刻な経済的影響を緩和するための重要な保険となっています。

 

がん保険のメリットとは?

 

保障対象をがんに限定している分、月々の保険料に対して医療保険よりも保障を厚くすることができます。

また、診断されただけで受け取ることができる診断給付金等、他の病気に対する保障よりも支払い事由が広くなっています。

医療保険同様、がん保険の給付金も基本的に非課税(がんが原因で被保険者が受け取る給付金に限ります。2023年11月現在)というのもポイント。

がん治療は患者さまにとってだけでなく、その家族にとっても精神的・経済的な負担が大きいものです。仕事を休む必要がある場合、所得が減少し、生活が不安定になることもあります。がん保険は、これらの問題に対処する手段としても機能します。

 

最新トレンドと注目ポイント

 

時代とともに進化しているがん保険ですが、ここで最新の動向や注目すべきポイントを3つ紹介しましょう。

 

1.抗がん剤以外も保障する月額給付金

所定の抗がん剤を受けた月に給付金を受け取れる月額給付型の「抗がん剤保障」があります。この対象を「がん治療全般」に拡大することで、抗がん剤にとどまらず何かしらのがん治療を受けた月に給付金を受け取ることができる商品が登場しています。

「抗がん剤保障」は10年などの更新型が多かったのですが、現在ではずっと保険料が変わらない終身タイプが主流となっており、保障の「幅」を確保しつつ保険料を抑えることが出来るようになったのもメリットですね。

2.患者申出療養や自由診療に対する保障の登場

がん治療において患者さまが保険適用外の治療方法を選ぶケースが増えています。

民間の保険会社が販売する保険は、あくまで公的医療保険制度の補助的な意味合いが強いため健康保険適用外の医療のうち先進医療以外を保障対象にしてきませんでした。しかしこうした現状を踏まえ、患者申出療養や自由診療についての保障が相次いで発売されています。

特定の病院でなければ認められなかったり、金額に上限があったりと商品により条件があるものの、加入しておけば高額ながん治療でも選択肢に入れられるのはメリットとなるでしょう。

3.特約の組み合わせの自由度

旧タイプのがん保険は保障のセット販売が主流でした。

特に医療保険に加入している人にとって入院や手術保障等、医療保険と重複する保障を外して入ることが出来ませんでしたが、現在多くのがん保険が保障を「選んで」加入することができる、カスタマイズ性の高い保険商品となっています。これにより加入中の保険に手を加えることなく、必要な保障のみを選んで追加することが出来るようになりました。もちろん、不要な保障をそぎ落とすことで保険料の節約にもつながります。

 

 

がん保険をどう選ぶか?

 

がん保険を選ぶ際、自分にとって最適なプランを見極めることは決して簡単ではありません。

販売する保険会社ごとにさまざまなプランや保障内容、提供されるサービスに違いがあります。しかし、適切に選ぶことができれば将来の安心につながることは間違いないでしょう。

多様ながん保険から最適なものを選ぶには、どうすればよいでしょうか。

 

1.重視する保障を明確にする

最初に考慮すべきなのは、異なるがん保険が提供する保障内容の違いです。

基本的な保障に加えて、がん治療に特化したプランや、生活保障を提供するプランなどが存在します。自身のライフスタイルやがん治療に対する考え方に合わせてプランを選ぶことが重要です。

 

2.加入中の保障との兼ね合いを考える

加入中の医療保険やがん保険があれば、検討しているがん保険と保障の重複がないかどうか確認しましょう。

注意すべきは、必ずしも重複があってはいけないということではない、ということ。場合によっては逆に保障を重ねて厚くしたい、という希望があるかもしれません。

要はニーズに合ったプランに加入することが大事なのですが、そのためにも加入中の保障内容はしっかり確認しておくべきでしょう。

 

3.各商品を比較検討する

求める保障が含まれるがん保険は1つしかないとは限りません。

同様の内容でも保険料が安い、または同程度の保険料でも保障がより厚い商品が見つかる可能性があります。

最初から1つの商品に定めず、複数商品を比較検討することをお勧めします。

 

終わりに

 

がん保険を選ぶことは未来への備えとして、特にがん大国に住まう私たちにとって非常に重要です。

自分や家族の未来に対する安心感を手に入れるため、なるべく賢い選択をしたいところ。最適ながん保険を見つけ、安心の未来への第一歩を踏み出しましょう。

 

■バックナンバーを見る