生命保険相談センター

コラム回心転意

 

 

「〇〇大国」という言葉をよく耳にします。

 

経済大国、軍事大国、スポーツ大国等々・・・その国の強みや特長を表す時によく使われている言葉です。

 

日本はいま「がん大国」と言われています。
あまりうれしい話ではありませんね。

 

日本国内では初めてがんの診断を受ける(罹患といいます)方が毎年約100万人いらっしゃいます。

 

またがんは1981年以降全国の死因第1位でもあり、年間およそ37万人ががんにより亡くなっています。
今まさに問題になっている新型コロナウイルスによる死者数は累計約13,000人(2021年5月30日時点)ですので、およそ30倍にのぼります。

 

日本人にとって怖い病の代表格「がん」。

 

それに備えるための保険商品が「がん保険」です。
がん保険には入院や手術などの保障もありますが、中でも特に重視したいのが「診断給付金」という保障です。

 

診断給付金とは、患者さまががんと「診断」された時点で一時金を受け取ることができる保障であり、多くのがん保険や医療保険に付加することが出来ます。

 

なぜ「診断給付金」が重要なのでしょうか。
今回はその理由を解説していきましょう。

 

理由その1:広がる治療の幅

がんはかつて「不治の病」と言われていました。
残念ながら今でもがんで亡くなる方は少ないとは言えません。

 

しかしながら検査精度の向上や標準治療(手術・放射線治療・薬物療法)の進化によりがんは「治せる病気」であることが常識となりつつあります。

 

 

治療方法の幅も広がりました。
効果的だとされる治療の中には健康保険適用外のものも多く存在します。

いわゆる「先進医療」等の保険外併用療養費制度に基づいたものや、完全自己負担となる「自由診療」と呼ばれるものですね。

しかしこれらに該当する治療を選ぶと、高額な治療費が患者さまに襲い掛かることになります。

 

 

「あなたに最適な治療方法があります。〇百万円かかりますが受けますか?」

 

そう問われたとき、迷わず「受けます」と答えることができるでしょうか。
もし事前に診断給付金を受けとっているのなら、手遅れになる前に受診する決断ができるかもしれません。

 

ちなみに、最近のがん保険・医療保険には先進医療や自由診療の高額な医療費の実費治療費分(商品により限度額等が異なります)を保障する特約も販売されています。
保険料が安いので付加された状態で契約しているケースが一般的となりましたが、以下のような注意点もありますので覚えておきましょう。

 

理由その2:治療中の生活はどうする?

患者さまにとって経済的負担は治療費だけではありません。
がん治療を続けている患者さまが直面する大きな問題が収入の減少だと言われています。

 

収入が減ってしまう要因として、治療により体力が衰え以前と同じ仕事をするのが難しくなったり、放射線治療や抗がん治療の通院で就労時間が減ってしまったり・・・といったことが考えられます。

 

患者さまの収入減少や退職(=失業)がこれほど多いという数字は、がん治療を継続しながら就労することがいまだ難しい状況にあるという現実を私たちに突き付けているのです。

 

では減ってしまった収入をどのように補うか?

 

「貯金を切り崩す」

 

確かにそれも選択肢の一つです。
しかしその貯金が「自分の将来のため」「子供の学費のため」に準備している大切なお金だったらどうでしょう・・・?
貯金には手を付けず「生活の質を落とす」ことを選ぶ患者さまもいるかもしれません。
経済的な負担が患者さまだけでなく周りの家族にも影響を及ぼす可能性も考えなければならないでしょう。

 

診断給付金として受け取った一時金があれば、ある程度の期間の負担を補うことができます。

 

もちろん保険ですべてを補うことは難しいと思われます。
しかし少なくとも、補うことが出来ている間は安心して治療に専念できるでしょう。

 

理由その3:自由に使える現金がある安心感

「入院」や「通院」給付金、「抗がん剤治療」給付金等は治療を受けてから給付される保障です。

別の言い方をすれば、「治療を選んだ後」にしか受け取ることが出来ません。

 

お金に使い道が決まってしまっている(実際は治療後に受け取るとしても、です)ということですね。

 

一方で診断給付金は医師からがんの診断を受ければ請求できる給付金です。

治療前にまとまったお金を受け取れる=手元に現金を置いておける保障という点が他の保障と大きく異なります。

 

 

結局のところ手元にまとまったお金があれば、高額な治療でも迷わず選ぶことができますし(理由その1)、治療後の収入減少分に充てることもできる(理由その2)わけです。

 

自由に使える現金が「治療を選ぶ前に」手元にあるというだけで、がん治療に付いて回る経済的な「不安」は大きく解消されます。

 

まとめ

現在、様々ながん保険商品が販売されています。

 

「何を選んだらよいか」「どこを重視したらよいか」分からなくなっている方も多いと思いのではないでしょうか。

 

保険は長く加入するのが基本です。
一方でがん治療は日々進化しています。
加入している保険がその「スピード」についていけなければ意味がありません。

 

その点では、診断時点で一時金が受け取れる診断給付金は治療方法がどれだけ変化していったとしても無駄にならない保障であると言えます。

 

今がん保険に入っている、またはこれから入る予定方は、是非、診断給付金に注目していただきたいと思います。

 

 

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