生命保険相談センター

コラム回心転意

筆者:理事長・コンサルタント 山田勝徳

2014年02月:生命保険 見直しのポイント -商品の比較と選び方-

NPO法人 生命保険相談センター
理事長
コンサルタント

山田 勝徳 (やまだ かつのり) 日本FP協会認定ファイナンシャル・プランナー
日本モーゲージプランナーズ協会モーゲージプランナー(住宅ローン)

今、加入している生命保険に不安を感じたとき、既存のものから新しい保険への切り替えや、余分な保障を削り必要な保障を加えるなど、保障内容を見直すことがあります。

当センターでは、ファイナンシャルプランナー(以下FP)の資格をもつ専門家が行う、その方の状況に合わせたプランニングによって見直しのお手伝いをしていますが、 見直しの方法については他にも様々な手段があります。

・保険が更新になった時に担当者から提案されるものに移行する

・巷の相談窓口(保険代理店)や保険ショップの無料相談に出向いて加入する

・インターネットや口コミでの評判や商品ランキングを参考にする

もちろんどの手段も決して間違いではありませんが、最終的にはより良い商品を選びたいものです。今回は、商品の選び方のポイントについてご案内します。

どのタイミングで見直すか

保険の見直しに至るまでの道は人それぞれですが、ご自身またはご家族の状況が変化したときに見直しを考えるケースが多いと言えるでしょう。例えば・・・

・結婚や出産によってご家族が増えた時

・ご自宅を購入された時

・お仕事を退職された時

などは、保険に目を向ける強いきっかけとなりますし、実際に保障内容を確認してみると現状と合っていないために見直しに至るケースが非常に多いので、 以上の様な状況の変化があったときには、ぜひFPに試算の依頼をしたり、今の保障を確認したりして頂きたいと思います。

他にもテレビコマーシャルなどの広告や、保険会社からの更新の通知、ご自身や身近な方のご病気なども結果的に見直しの動機となるケースが多く見受けられます。 どのようなケースであれ、ご年齢や健康状態が保険加入に大きく影響しますので、見直しをしたいと思ったタイミングで早めに検討される方が良いと言えます。

鵜呑みにしてはいけない「ランキング」や「おすすめ」

保険に関して雑誌やインターネット記事などで「ランキング」というものをよく見かけます。
保険会社をランク付けしたものや死亡保険、 医療保険で最も売れている商品のランキングなどをみるとその保険に決めてしまいたくなりますが、そこで一呼吸置いて頂きたいのです。
なぜなら、その保険のランキング順位とご自身に本当に合う保険であるかどうかは別の問題だからです。

保険は保障内容やご自身の現状、考え方によって決められるもの。

「保険料が安い」、「たくさん売れている」ということだけを基準に決めてしまうと、後々になってより自分に合った商品を見つけて後悔するかもしれません。 複数の商品を見た上で納得して加入する場合と「ランキングの上位に入っているから」という理由で選んだ場合では、安心の度合いが違います。

生命保険の見直しでは「保険料が安い」、「たくさん売れている」ということだけを基準に決めてしまうと後々になって後悔してしまう可能性があります

また、代理店経由や窓口で保険を購入される場合には、販売担当者からの「おすすめ」にも注意する必要があります。規模の大きさや販売方法を問わず全ての保険代理店は、 基本的に保険会社からの販売手数料によって経営が成り立っていますが、実は保険会社や商品によって、支払われる手数料の額に大きな違いがあります。

収益の効率を求めようとすれば、販売の際により手数料が高い商品、敢えて乱暴な言い方をすれば「お金になる商品」を「おすすめ」しようとする事は、ある意味当然の事 と言えるでしょう。会社にとって「おすすめ」の商品を販売しないと販売担当者の成績にならないので、提案される保険に偏りが出ているのも事実です。

しかし皆様にとってはどうでしょうか?

手数料が低くても消費者にとって良い保険はたくさんあります。

もちろん全ての販売担当者や代理店が当てはまる訳ではありません。 消費者の立場に立って販売をして下さっている方もいらっしゃいますが、残念ながらその数は多いとは言えないのが現状です。

当センターで相談を受けた相談案件のうち実に73.9%が、契約中の生命保険に ついて契約した保険会社や保険代理店で見直しを行う前に当センターへ相談が あったケースです。

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実際に相談案件の多くはご本人の状況に適した保障内容とは程遠く、公正・中立 な立場からのアドバイスにより最適な生命保険への見直すといったケースは後を 絶ちません。

「ランキング」や「おすすめ」を鵜呑みにせず、他に選択の余地がないのかをしっかりと確認したいものです。

提案内容を見極めよう

ではご自身に合った保険を選ぶにはどうしたら良いでしょうか?

商品の提案書等で確認できるポイントとしては「内容」「期間」「保険料」があります。

「内容」
保険種類や保障内容のことで、「どんなとき」に「いくら」もらえるのか、掛け捨て型なのか貯蓄型なのか等の中身を確認します。

「期間」
その保険で何歳(何年)まで保障されるのか(保険期間)や保険料をいつまで支払うのか(払込期間)を確認します。

「保険料」
その保険について月々(または年間)いくら払うのかということだけでなく、支払総額や更新型かどうかも確認します。 貯蓄型の場合なら支払総額に対してどの程度戻ってくるのか、も確認します。

保険は目に見えない商品ですからどうしても「保険料」の金額に目を向けがちです。 しかし、「保険料が安くても保障期間が短い」「保険料は高いが戻り率が良い」など、「内容」や「期間」を総合的に見なければ正しい判断が出来ない商品もたくさんあります。

このようなそれぞれの特長を見極めるには、商品間の「比較」が最も良い方法だと考えられます。 死亡保険や医療保険でも「内容」「期間」に様々な種類があり、ただ「亡くなった時にお金がおりる」「入院や手術をしたときにお金がおりる」という説明だけでは片付かない、 複雑化したものになっています。それは同時に、細かい違いを見極める事でよりご自身に合った商品を選択することが出来るようになった、とも言えますが、 そのためには「比較」をして特長を見極めることが不可欠です。

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もちろん、分厚い保障を高い保険料で購入し今の生活が苦しくなった、となりますと困ってしまいますが、 保険会社間の競争が激しくなり商品の内容にも様々なものが出てきている中で、目先の保険料だけで商品を選んでしまうのはもったいないように思います。

私たちが心配しているのは、内容が複雑になっている分ご自身で一から比較をするのは難しいために、 前段のような「ランキング」や「おすすめ」だけで商品を簡単に決めてしまう方が増えているということです。

比較をしていくのには時間がかかります。時には似たような商品を目の前にして迷ってしまうこともあるかも知れません。 しかし保険は長期間に渡って保険料を支払っていく商品です。 場合によっては「家」の次に高額な商品と言われる事もあります。

当センターではすでに保険会社や保険代理店(保険ショップ)などで加入された生命保険の見直しをはじめ、 保障内容の確認から適正診断まで生命保険に加入されている方の様々な悩みや疑問を解決しています。

加入した保険会社や保険代理店(保険ショップ)には相談しづらいことでも、当センターならNPO法人という公正・中立な立場から適正なアドバイスをいたします。

どんな小さなことでも、お気軽にご相談ください。

少しでもご自身に合った保険を選び、ご納得の上で加入される方が増えるよう、心から願って止みません。

NPO法人 生命保険相談センター
理事長
コンサルタント

山田 勝徳 (やまだ かつのり) 日本FP協会認定ファイナンシャル・プランナー
日本モーゲージプランナーズ協会モーゲージプランナー(住宅ローン)
■筆者からひとこと

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